はじめに
2011年3月11日、日本は未曾有の大災害に見舞われました。東日本大震災から 14年。
この震災を経験し、私たちは「防災」について多くを学びました。
しかし、「看護師」 という立場で見たとき、災害時の対応には 一般的な防災とは異なる視点 も必要になります。
看護師が 仕事中 に災害が起きたら？
プライベートでは どんな備えが必要 なのか？
今回は 看護師の視点からか「災害時の防災と対応」 について掘り下げていきます。
看護師として知っておきたい災害時の対応
医療現場で災害が発生した場合の行動
看護師は 「自分が被災者になる」 だけでなく、「医療従事者としての役割」 も求められます。
病院や施設で地震が発生した際、どのような対応が必要なのでしょうか？
✅ 仕事中の防災アクション
1. まずは自分の安全確保
• 机や壁際に身を寄せ、揺れが収まるのを待つ
• ガラスの破片や落下物に注意
• 緊急時の避難経路を確認
2. 患者・利用者の安全確保
• 寝たきり患者や歩行が困難な人の保護
• 酸素ボンベや人工呼吸器を使用している患者の管理
• 院内放送や指示に従い、混乱を防ぐ
3. トリアージの意識
• 負傷者が出た場合、誰を優先的に処置するか を判断
• 応急処置ができるよう、簡単な救急対応を習得しておく
医療機関のBCP（事業継続計画）を把握
病院や施設には 「BCP（事業継続計画）」 があり、災害時にどう対応するかが定められています。
BCP（事業継続計画）とは？
BCP（Business Continuity Plan）は、災害やシステム障害、パンデミックなどの緊急事態が発生した際に、事業を継続または迅速に復旧するための計画 です。
特に医療現場では、災害時や感染症の流行時でも 患者対応を継続するための仕組み が重要です。たとえば、電子カルテのバックアップや代替通信手段の確保、看護師や医療スタッフのシフト管理 などがBCPの一環となります。
BCPがしっかり策定されていることで、緊急時にも混乱を最小限に抑え、安全に業務を続けることができる のが大きなメリットです
これを把握しておくことで、いざというとき 適切な行動 が取れるようになります。
• 電源が確保できない場合の対応
• 非常用医薬品・備蓄品の確認
• 応援要請の方法
看護師個人としての防災対策
家庭での防災準備
仕事以外の場面でも、災害は突然やってきます。
看護師として働いていると 勤務中に被災する可能性 も高いため、家族の安全 も考えた防災対策が重要です。
✅ 自宅で準備しておくべきもの
1. 非常持ち出し袋
• 飲料水・非常食（最低3日分）
• 常備薬・簡単な医療用品
• 充電式バッテリー・懐中電灯
• 衣類・毛布・簡易トイレ
家族との連絡手段
• 安否確認アプリ や 災害用伝言ダイヤル の利用
• 避難場所の共有（職場近くの避難所も確認）
通勤中の防災対策
• 徒歩で帰宅する場合のルート確認
• 防災グッズ（ホイッスル、携帯食）をバッグに入れておく
東日本大震災の教訓から学ぶ防災のポイント
14年前の東日本大震災では、医療機関も甚大な被害を受けました。
そこでの 実際の事例 から、看護師としての防災意識を高めるポイントを学びましょう。
医療物資の不足
震災直後、多くの病院で 医薬品や衛生用品の不足 が深刻化しました。
現在は 備蓄の見直し が進んでいますが、個人レベルでも 必要最低限の医療用品 を用意しておくと安心です。
例：
• ガーゼ・包帯・消毒液
• 使い捨てマスク・手袋
• カットバン・湿布・経口補水液
電力・通信の遮断
病院でも停電が発生し、人工呼吸器や透析装置が使えなくなる事態が起きました。
また、通信手段が途絶え、情報収集が困難になったケースも。
✅ 対策
• モバイルバッテリーの携帯
• 無線通信手段（トランシーバーなど）の確認
• 自宅にも 非常用電源 を備える
心理的ストレスへの対応
災害時は患者だけでなく、看護師自身のストレス も増大します。
特に、震災後の避難所での対応や長時間勤務による 精神的負担 は大きいものです。
✅ メンタルケアのポイント
• できるだけ 小さな休息 を取る
• 同僚と状況を共有し、チームで支え合う
• 事前に 「被災地のメンタルヘルス対策」 を学んでおく
まとめ
震災から 14年。
防災意識は高まっているものの、「いざという時にどう行動するか？」 を考えている人は意外と少ないかもしれません。
✅ 看護師としての災害対策
• 勤務中の防災行動 を確認し、患者対応の優先順位を考えておく
• BCP（事業継続計画） を理解し、病院や施設の防災対策に従う
• 防災グッズ・医療用品の備蓄 を確認し、万が一に備える
✅ プライベートでの防災
• 家族との 避難ルート・安否確認の方法 を共有
• 自宅の防災対策 を万全にする
• 通勤・帰宅時の 緊急時対応 を考える
この機会に 「自分の防災意識」 を見直してみませんか？
看護師として、助ける側でありながら、自分の命も守る ことが大切です。
