はじめに
近年、急速に注目を集めている生成AI「ChatGPT」。医療現場でも少しずつその名前を聞くようになってきました。とはいえ、
「AIって難しそう…」
「使い方がよくわからない」
と感じる看護師の方も多いのではないでしょうか。
私自身も、最初は抵抗を感じることが多かったです。
しかし、AI時代黎明期と言える昨今。ChatGPTをはじめとする、AIを使いこなすスキルは必要不可欠になりつつあります。
本記事では、看護師として知っておきたいChatGPTの最低限の知識と、すぐに使える活用法を分かりやすく解説します。現場での実例や注意点も交えてお伝えするので、ChatGPTを初めて使う方にもおすすめです。
ChatGPTとは何か?
ChatGPTは、OpenAIが開発した対話型のAI(人工知能)です。人間のように会話ができ、質問に答えたり、文章を作成したり、要約や翻訳もできます。
簡単に言えば、「頼れる会話型のAIアシスタント」。スマホやパソコンで、Google検索のように使えるのが特徴です。
看護師がChatGPTを使うメリット
① 医療情報の確認・学び直し
例えば「高齢者の誤嚥性肺炎のケアで大切なことは?」と聞けば、数秒で要点をまとめて教えてくれます。新人看護師の学び直しや国家試験対策にも役立ちます。
夜勤中にふと「褥瘡のDESIGN-Rってどう評価するんだっけ?」と不安になり、ChatGPTに聞いたら即座にスコアの見方を説明してくれた、というような使い方も。
② 看護記録や報告書の文章補助
「簡潔にまとめるのが苦手…」という人には、ChatGPTが文章の提案をしてくれます。例えば、バイタルやケア内容を元に「SOAP形式でまとめて」と指示すれば、それっぽく仕上げてくれます。
もちろん最終的には人間の判断が必要ですが、文章作成の“たたき台”としては非常に便利です。
③ ケアプランやカンファレンスのアイデア出し
ChatGPTはアイデア出しにも強いツールです。「要介護3の独居高齢者に必要な生活支援の案を5つ」など、ヒントが欲しいときに活用できます。
実際にどう使えばいい?【具体例】
シーン | ChatGPTの活用方法 |
勉強 | 疾患やケアの基礎知識を質問する。国家試験対策の問題を作ってもらう。 |
業務の効率化 | 看護記録のテンプレート提案、申し送り文の要約と校正 |
企画 | 勉強会や研修のアイデアだし、レクリエーションの企画支援 |
コミュニケーション | 高齢者や外国人患者向けの優しい日本語や翻訳の提案 |
注意すべきポイント
ChatGPTはとても便利ですが、医療現場で使うには注意も必要です。
① 情報の正確性は100%ではない
ChatGPTはインターネット上の情報をもとに学習しています。そのため、最新のガイドラインや病院の方針とは異なる回答をする場合もあります。あくまで参考として使うのが原則です。
② 個人情報は入力しない
患者さんの名前やIDなどの個人情報を入力してはいけません。入力内容はOpenAIのサーバーに送られるため、プライバシー保護の観点でNGです。
③ 全面依存しない
ChatGPTは万能ではありません。必ず自分の判断や上司の確認を優先してください。
最低限知っておきたい操作スキル
- ブラウザ(Google Chromeなど)で「ChatGPT」と検索して使う
- プロンプト(命令文)を工夫する 例:「◯◯をわかりやすく教えて」「◯◯のポイントを3つにまとめて」
- 日本語でOK、でも文章は具体的に
最後に:ChatGPTは看護師の新しい“相棒”
「AI=難しいもの」と思いがちですが、ChatGPTは看護師にとって頼れるツールになりえます。
忙しい中でも勉強や業務を効率化したい、そんなあなたの強い味方です。
まずは気軽に使ってみることから始めてみましょう。
※ChatGPTの活用に関する勉強会や研修の開催も今後注目されています。職場に提案してみるのも一つの方法です。
