はじめに
最近「GPT-5」という言葉を耳にすることが増えてきました。ニュースやSNSで「AIが更に進化した」「これからの仕事が変わる」と話題になっていますが、正直「また新しい技術?」「看護師にはあまり関係ないのでは」と感じている方も多いと思います。
一口に「AI」と聞いても漠然としていて、ピンとこない人が多いかも知れません。
しかし実際には、看護師の仕事はAIと相性が良い部分がたくさんあります。看護記録や患者説明、研修や資格勉強など、日々の業務の中でGPT-5を使えば時間短縮やわかりやすさの向上につながるのです。つまり、知っているかどうかで「働き方」が変わる可能性があるのです。
この記事では、看護師にとって押さえておきたいGPT-5の特徴と、現場で役立つ具体的な使い方を紹介します

GPT-5とは?かんたん解説
GPT-5は、OpenAIが開発した会話型AI「ChatGPT」の最新版です。
難しい説明を省くと「人間と自然な会話ができるAIの頭脳」と考えるとわかりやすいでしょう。
これまでのGPT-4よりも、以下の点が進化しています。
- より自然な会話:人と話しているようなやり取りが可能
- 情報の正確さが向上:医療系を含む専門的な質問にも強くなった
- マルチモーダル対応:文章だけでなく画像や図表を理解できる(将来的には医療画像への応用も期待)
つまり「質問すれば答えが返ってくる」だけでなく、「難しいことをわかりやすく整理してくれる」「文章をきれいにまとめてくれる」といった機能が、これまで以上に使いやすくなっているのです。
看護師の仕事で役立つシーン
患者さんへの説明サポート
看護師の大切な役割のひとつに「患者さんやご家族へ説明すること」があります。医学用語をそのまま伝えても理解されにくい場合が多いですよね。
GPT-5に相談すれば、難しい言葉をやさしい表現に言い換えてくれます。
例:
- 看護師:「抗凝固薬を高齢の患者さんに説明したい。わかりやすい言葉にして」
- GPT-5:「血液を固まりにくくするお薬です。血管に血のかたまりができるのを防ぐために使います。」
このように「専門用語→生活者向けの言葉」に変換することで、説明がスムーズになり患者さんの理解度も高まります。
看護記録や申し送りの効率化
日々の業務で大きな負担となるのが看護記録です。
「必要事項は書いたけれど文章がまとまらない」「申し送りの時間がかかる」そんな経験は誰しもあるはず。
GPT-5にメモを渡せば、数秒でSOAP形式や要点を整理した文章に整えてくれます。
例:
- 看護師メモ:熱38.2℃、悪寒、インフルエンザ検査予定、解熱剤使用、経過観察中
- GPT-5整形:
- S:悪寒を訴える
- O:体温38.2℃、解熱剤投与
- A:インフルエンザ疑い、経過観察中
- P:検査予定、体温・症状観察継続
数分かかっていた記録整理が一瞬で完成。夜勤明けや忙しい日勤帯に大きな助けとなります。
勉強・キャリアアップに
医療の世界では学び続ける姿勢が欠かせません。
しかし最新の論文やガイドラインは英語が多く、読むだけで疲れてしまうことも…。
GPT-5は英語論文を日本語に要約してくれたり、資格試験対策の模擬問題を作成してくれるので、学習効率を大幅に高めることができます。
例:
- 「この英文論文を日本語で500字に要約して」
- 「認定看護師試験向けに模擬問題を5問作って」
自分一人では難しかった勉強も、GPT-5を“家庭教師”のように使うことで取り組みやすくなります。
日々の情報収集
看護師は多忙で、新しい知識を追う時間を確保するのが大変です。
GPT-5を活用すれば「最新の褥瘡ケアのポイントを3つにまとめて」といった依頼ができ、短時間で要点をつかめます。
情報過多の時代に「大事な部分だけ整理してもらう」ことは、学びの効率化に直結します。
使うときの注意点
便利だからこそ、いくつかの注意点を忘れてはいけません。
- 診断や治療の判断には使えない GPT-5はあくまで情報整理や参考用。医師の判断やエビデンスに基づいた判断が必要です。
- 個人情報は入力しない 実際の患者名やIDを入力するのは守秘義務違反になります。使うときは必ず匿名化しましょう。
- 必ず確認を行う GPT-5も誤情報を出すことがあります。「正しいかどうかを看護師自身が確認する」という姿勢は欠かせません。
まとめ
GPT-5は、看護師の仕事を奪うものではなく、むしろ強力な味方になってくれるツールです。
- 患者さんへの説明をわかりやすく
- 看護記録や申し送りを効率化
- 勉強や情報収集をサポート
これらを活用することで、事務作業の時間を減らし、患者さんと向き合う時間を増やすことができます。
これからの看護師に求められるのは「AIを正しく理解し、適切に使う力」です。
まずは身近な場面から少しずつ取り入れて、GPT-5を“相棒”にしてみませんか?